人間がかかる最も重い病気は孤独である

昨年の4月から検死の医師をしております。
お一人暮らしの方がご自宅で亡くなった場合、不審死でないかを確認するのが主な私の役目です。
その経験をもとに、先日ロータリークラブの会で「孤独」と「単独」という題のお話をしました。

 

昨今「孤独死」という単語を耳にすることがありますが、
私はひとりで亡くなることがすなわち孤独死であるとは思いません。
ひとりで亡くなっていても、前日まで「笑顔・微笑み」に囲まれていた方は「単独死」だと思っています。

 

医師になり40年近くがたち、たくさんの患者さんとの出会いで私が感じているのは
「人間がかかる最も思い病気は孤独である」ということです。
私はがんの末期の患者さんがたくさんの家族に囲まれて「ありがとう、ありがとう」とみおくられる場面もたくさん見てきました。
その一方で、生活に不自由はなくとも孤独から体調に不調をきたしてしまうケースもあります。

 

私が堂園メディカルハウスの隣に国土交通省の助成金をいただいて作りました「ナガヤタワー」のコンセプトは「微笑みを交わす人がいれば幸せ」です。
また、マザーテレサは、「まず一番近い人に微笑みましょう。それが平和の第一歩です」と、話しています。
イギリスには孤独担当大臣も設置されたようですが、今日会った誰かに微笑みかけて言葉を交わすこと。これは私たち皆にできる孤独対策ではないでしょうか。

(院長 堂園晴彦)