言葉綴り 39

「何もないから、工夫をする」

4月28日からペシャワールに1週間休養を兼ねて視察に行くので、中村 哲医師に電話をしました(現在日本です)。
そのとき中村先生が「現地は何も無いから、色々工夫をする」と言われました。
作家の村上 龍氏は「日本には何でもあるが、夢が無い」と、書いています。


私は忙し過ぎる毎日をおくっています。これはある意味では、何でもあるが、夢が無い生活かもしれません。自分の色々な経験が患者さんと話をする時、役立つと考え、忙しすぎる人生の悪影響に関し、学ぼうとしてきました。忙し過ぎる人生を忙しくなく出来ないのかが、今のテーマです。忙しくないというのは、暇というわけではなく、豊かに、深く、生きるにはという意味です。暇を望んでいるのではありません。


何も無いペシャワールだからこそ、何かを生み出す力をもらえるかもしれません。彼らの知恵を学んで期待と思っています。


中村先生と話をして驚いたのは、ペシャワールで最近選挙があり、何とタリバンが大勝したそうです。今ペシャワールはタリバンの政策が主で、アルコールも全面禁止だそうです。タリバンは大衆に指示され、北パキスタンはタリバンが主だそうです。


日本の報道と現実の違いにあきれていました。これは、国内の報道も同じで、医療現場の小さなことが、鬼の首を取ったように報道されているような部分もあります。他の分野でも同じでしょう。そして、だんだんそれが日常茶飯事のような気に社会がなってきて、規制が制度化されて、社会がますます窮屈になり、心が縮こまり、ひいては自殺へとつながっていくのでは。何せ、日本は世界一の自殺国です。


この国は、何も無いから工夫する豊かさを、学ぶ必要があると思います。自分も学びたいと思います。
この1,2年の抑うつから少しずつ脱皮しつつあります。その回答は「何も無いから工夫する」という言葉と何も無い所で生きている人の知恵の中にあるような気がします。
竜馬が江戸に遊学したように、ペシャワールに遊学しに行って来ます。