新・言葉綴り-1 昭和からはメロディーが聞こえる

新・言葉綴り-1 2019・8・25

しばらく休んでいた「言葉綴り」を、再回したいと思います。

「昭和からはメロディーが聞こえる」
最近、昭和的なテレビ・ラジオ番組が多いと、感じます。昭和にはメロディーを感じます。
師匠の寺山修司は劇団員に昭和精吾と名付けました。時代に合わせて、平成精吾としても令和精吾と名付けても、何となくしっくりこない感じがします。昭和精吾からはメロディーが聞こえてきます。

昭和精吾さんは、アジテート的なしゃべりの名優でした。その声が素晴らしいでした。
昭和から続いているNHKのラジオ番組で「音の風景」があります。音から風景を想像する。ラジオという媒体を通した音からその人なりの想像が膨らむのでしょう。
音から風景、時代を想像する。音を声と置き換えてみるとどうでしょう。ラジオを聞いているのは番組の内容もですが、「声」を聴いているのでは。テレビだと皆同じ風景
を観て、音=声は片隅に追いやれてしまいます。昭和天皇の敗戦時の玉音放送を先日テレビで久しぶりに聞きましたが、あの声のリズム・声質には、人を納得させる何かを感じます。
こんなことを書くのは、単に年取った私のノスタルジーでしょうか。

院長 堂園晴彦